コラム

「保護されていない通信」と出ていませんか? HTTPSと無料SSL・有料SSLの違い、いまからのSSL化の進め方

2026.08.27

自社サイトをスマホやパソコンで開いたとき、アドレスバーに「保護されていない通信」や「安全ではありません」と表示されて、ドキッとしたことはないでしょうか。

これは、そのページがHTTPS(暗号化された通信)に対応していないというサインです。放っておくと、訪問者に不安を与えるだけでなく、フォームからの問い合わせ離脱や検索順位にも影響します。

とはいえ、「HTTPSって結局なに?」「無料でできるSSLと、お金を払うSSLは何が違うの?」「うちの規模だとどっちを選べばいい?」——このあたりは、いざ調べると専門用語が多くて分かりにくいところ。
今回は、そのHTTPSとSSLの基本から、企業規模に応じた選び方、いまから導入する場合の作業と費用の相場感までを、まとめて整理します。


そもそもHTTPSとは?「s」がつくと何が変わるのか

ホームページのアドレスは「http://」か「https://」で始まります。この末尾の「s」は “Secure(安全)” の s。SSL/TLSという仕組みで、ブラウザとサーバーの間の通信を暗号化していることを表します。

httpのままだと、入力された情報がそのままの文字(平文)でネットワークを流れるため、途中で盗み見られたり、なりすましのサイトにすり替えられたりするリスクがあります。httpsにすると通信が暗号化され、アドレスバーには鍵マークが表示されます。

いまは、一部のページだけでなくサイト全体をhttpsにする「常時SSL化」が当たり前になっています。httpのままだと、Chromeなどのブラウザで「保護されていない通信」と警告が出て、検索エンジンの評価でも不利になり、問い合わせフォームの安全性も担保できません。つまりSSL化は、いまや「やっておくべき」ではなく「やっていて当然」の土台になっています。


無料SSLと有料SSLは、何が違うのか

「無料でできるなら、有料のSSLは何のためにあるの?」という疑問はもっともです。実は、通信を暗号化する強さそのものは、無料でも有料でも基本的に変わりません。違うのは、「何を証明してくれるか(認証レベル)」と、「保証やサポートが付くか」です。

無料SSL(DV/ドメイン認証)

多くのレンタルサーバーに標準で付属しており、管理画面から費用0円で設定できます。確認するのは「そのドメインの管理権を持っているか」だけ。有効期間は短め(90日など)ですが、自動更新される仕組みが一般的です。個人サイトや小規模なコーポレートサイト、情報発信が中心のサイトなら、これで必要十分です。

有料SSL(DV/OV/EV)

有料の証明書は、認証レベルを選べます。OV(企業実在認証)は、登記情報や電話確認で「その組織が実在するか」まで審査します。EV(拡張認証)はさらに厳格な最上位の認証です。加えて、万一のときの保証や、専門のサポート窓口が付くのが一般的です。「暗号化」だけでなく、“この会社は実在する本物です”という裏付けを、第三者機関に証明してもらえるのが有料の価値です。


企業の規模・サイトの性質で、どう選ぶ?

では、自社はどれを選べばいいのか。判断の軸はシンプルで、「暗号化さえできれば十分」なのか、「組織の信頼やなりすまし対策まで求める」のかです。目安は次の通りです。

  • 小規模なコーポレートサイト・情報発信が中心 → 無料SSL(DV)で十分。まずはサーバー付属の無料SSLで常時SSL化を
  • 中小企業の企業サイトで、問い合わせ・見積もりフォームがある/BtoBで信頼を重視 → 有料のDV〜OV。とくにOVなら「実在する企業のサイト」であることを示せます
  • ECサイト・会員登録・決済・個人情報を多く預かる → OVやEV。扱う情報の重さと、なりすまされたときの被害の大きさで判断

「とりあえず鍵マークを付けたい」だけなら無料で問題ありません。一方で、お金のやり取りや大切な個人情報が絡むほど、有料で“実在の証明”と“保証”を上乗せする意味が出てきます。


いまからSSL化するとき、実際どんな作業がある?

「証明書を入れて終わり」ではないのが、SSL化の要注意ポイントです。とくにすでに公開中のサイトを http から https に切り替える場合は、HTMLの修正を含めて、いくつか作業が発生します。

  • 証明書の取得・サーバーへの導入:無料SSLは管理画面から数クリック。有料SSLは申請と審査(OV/EVは組織確認のやり取り)が必要
  • サイト内のURLをhttp→httpsへ修正:内部リンクや、画像・CSS・JavaScriptの読み込み先を書き換えます。HTMLを直接直すこともあり、WordPressの場合は設定のURL変更に加えてデータベース内のURLも一括置換します
  • 混在コンテンツ(mixed content)の解消:ページはhttpsなのに、画像などが1つでもhttpのまま残っていると、鍵マークが出ません。この取りこぼしを潰す作業です
  • 301リダイレクトの設定:httpでアクセスされたら自動でhttpsへ恒久転送されるようにします。これを忘れると、古いURLと新しいURLが二重に存在してしまいます
  • 外部サービス側の更新:Google Search Consoleにhttpsを登録してサイトマップを再送信、アクセス解析や広告タグ、SNS・Googleビジネスプロフィールのリンクなども更新します
  • 最終チェック:全ページで鍵マークが出るか、リダイレクトが効くか、フォーム送信が正常かを確認します

新規に作るサイトなら最初からhttpsで組めばよいので簡単ですが、既存サイトの移行は「抜け漏れ探し」が本番。ページ数が多いサイトほど、この確認に手間がかかります。


費用の相場感

最後に、気になる費用の目安です(金額はあくまで目安で、認証局やサーバーによって変わります)。

  • 証明書代(年額の目安):無料SSL=0円/有料DV=数百〜数千円/OV=数万円〜/EV=十数万円〜
  • レンタルサーバー付属の無料SSLを使えば、証明書そのものの費用はかかりません
  • 移行の作業代行費:サイトの規模・ページ数・mixed contentの量によって変わります。小規模なら比較的おさえられますが、作り込まれた大きなサイトほど確認作業が増えます

「無料SSLがあるのに、わざわざ有料はもったいないのでは?」と感じるかもしれません。答えは目的次第です。暗号化だけが目的なら無料で十分。企業としての実在証明や保証まで必要なら、有料SSLの費用は“信頼への投資”として意味を持ちます。


「うちはどれ?」「移行作業まで手が回らない」と思ったら

SSLの選定そのものは、この記事の基準で当たりをつけられます。ですが実際の壁になりやすいのは、選んだあとの導入と移行作業——証明書の設定、HTMLやWordPressのURL修正、リダイレクト、mixed contentの解消、といった細かな工程です。

弊社では、ホームページの保守・更新サービスの一環として、このSSL化・常時SSL化の作業をまとめて代行しています。「どの証明書が自社に合うか分からない」「移行で表示が崩れないか不安」という段階からご相談いただけます。他社が制作したサイトでも対応可能です。詳しくはホームページ保守・更新・管理サービスのご案内をご覧ください。


まとめ:SSLは「入れるか」ではなく「何を証明したいか」で選ぶ

HTTPS化(常時SSL化)は、いまやすべてのサイトに必要な土台です。そのうえで、無料SSLと有料SSLの選択は、「暗号化だけで足りるのか」「組織の実在や保証まで見せたいのか」という一点で考えると迷いません。

小規模なら無料SSLで十分ですし、信頼や取引の重さが増すほど有料SSLの価値が出てきます。まずは自社サイトのアドレスバーを見て、鍵マークが付いているか——そこから確認してみてください。「保護されていない通信」のままなら、それが最初の一歩です。