仕事において、案件管理をするという行為は、必ずついてまわります。
特にチームでこなす場合、複数人で管理することになるので、個々に負担がかかります。
アルファスでは過去にGoogleスプレッドシートを使って案件を管理していました。
Google Workspaceの料金内で使用できますし、GAS(Google App Script)を使えば、大体のことができるからです。
ただ、実際には誤操作が多かったり、GASを触れる人が少なかったり、どこに何が書かかれているかが、把握しにくい問題がありました。
そういう経緯もあり、Kintone(キントーン)に移行し、現在は落ち着いています。
今回はアルファスでのKintone活用方法について、大枠をご紹介します。
なお、Salesforce(セールスフォース)も一部導入しているので、いずれ移行するかもしません。
Kintoneと比較するとSalesforceは、ランニングコストが高くなります。当然できることも変わってきますし、そもそも運用方法の思想が異なります。AIを活用したCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)や営業の支援として使いたい場合は、Salesforceの方が向いています。
ノーコードでアプリがつくれるKintone

Kintoneは、サイボウズ社が提供するクラウドサービスです。
プログラミングの知識がなくても、様々なアプリが作れます。
営業支援パック、顧客リスト、日報、案件管理といったサンプルアプリが、はじめから複数用意されており、導入してからすぐに使うことができます。
サンプルアプリをベースにカスタマイズすることも可能です。
見た目がしっかりしているので、Googleスプレッドシートと比較すると操作にあまり慣れてない人でも使いやすい点も特徴です。
間違って項目や計算式を消してしまうという事故が防げるのが大きいです。
プログラミングの知識があれば、REST APIやJavaScript APIを使って、複雑なカスタマイズを行ったり、外部サービスと連携することができます。
APIの学習コストがありますが、今だとChatGPTやGeminiでコードが書けるので、カスタマイズのハードルが低くなっています。
また、様々なサードパーティアプリ(無料/有料)があり、メール送信やPDF出力など、Kintoneに備わっていない機能をつけることも可能です。
案件を管理するためのKintoneアプリの構成
アルファスの案件管理は、あくまでも受注残やお金まわりの管理を主目的にしています。
案件1つ1つの細かなタスクやスケジュールは、Kintoneで管理していません。
これらは、案件ごとにGoogleスプレッドシートやBacklogがあったり、クライアントやベンダーと共有していたりするからです。
二重管理になりそうな内容は、Kintoneに入れないようにしています。
案件管理は、大きく5つのアプリで構成しています。
- 案件管理
- 見積管理
- 売上管理
- 得意先マスタ
- 仕入先マスタ
1. 案件管理
案件自体を管理します。
主に状態(受注、引き合い、検修待ちなど)や納期、金額を管理します。
2. 見積管理
案件ごとに見積りを管理します。
見積り自体は、案件管理アプリから作成します。
項目は、弊社の見積書のフォーマットに則したものになっています。
インボイスの絡みで、基本的に見積書に消費税は記載していません。
ただし、国や自治体の案件は、消費税の記載が必須です。
そのため、消費税のオンオフなどを設定できるようにしています。
見積もりはPDF形式で出力できます。
内容によって、出力パターンを切り替えれるようにしています。

PDFの出力機能は、トヨクモ社のPrintCreator(プリントクリエイター)を使用しています。
PDFの出力であれば、これ一択といっても過言ではないです。
料金体系はサブスクで、地方の中小企業では稟議を通すのが絶妙に困難な金額です。
がんばって稟議を通しましょう。
実際、独自開発もできますが、PDFをプログラムで出力するのは、意外とめんどk大変なので、有料サービスを使用した方が結果的にコストダウンになると思います。
スーパーエンジニアが社内にいる企業さんは、ぜひ自作でチャレンジしてみてください。
3. 売上管理
売上処理をした案件を管理します。
営業や制作チームが案件の売上処理を行うとこのアプリに登録されます。
所謂、売上伝票をあげるという行為です。
アプリに登録されると同時に、Chatworkを経由で経理部門にタスクが登録されます。

経理部門は、Chatworkのタスク管理機能をつかって、請求書・納品書を発行したかどうかを管理します。
これにより、請求漏れを防ぐようにしています。
4. 得意先マスタ
クライアントの情報を管理します。
住所や連絡先、締日などを保存しています。
他のアプリの情報を参照できるので、クライアントごとの案件や過去の売上を見ることができます。
その時の仕入金額や販売価格などは、クライアントごとにGoogleスプレッドシートで管理しています。

Googleスプレッドシートが複雑な構成になっており、Kintoneへの移行が困難というのが理由です。
これはいつかKintoneに移行したいと思っています。
また、アルファスでは会計処理に弥生を使用しています。
弥生では、クライアントごとに4桁のコードが付与しています。
そのコードをユニークのIDとして使用しています。
5. 仕入先マスタ
ベンダーをはじめ、サービスや物の購入先の情報を管理する。
住所や連絡先といった基本情報だけを保存しています。
まとめ
アルファスでは、Kintoneを導入することで、Googleスプレッドシートで抱えていたいくつかの問題を解決しました。
案件の状況把握、見積書作成、売上処理、請求漏れ防止、顧客・仕入先情報の一元管理を実現しています。
世の中には、Kintone以外にも様々なサービスがあります。
海外だとサービスやシステムに合わせて、業務フローを修正するそうですが、日本では逆です。
業務に合わせて、サービスやシステムを修正します。
その点において、カスタマイズ性が高いKintoneは中小企業には導入しやすいサービスです。
導入サポートもしていますので、興味がある方はぜひお問い合わせください。