現代の職業病 クリエイターに忍び寄る「ぎっくり首」と「ストレートネック」の恐怖

2025.08.16

お盆休みなので、怖い話を…というわけではありませんが、現代人、特にクリエイターに多いかもしれない病の話です。

もはや現代病ともいえますが、クリエイティブ職の方に特に気をつけてほしいのが、「ぎっくり首」と「ストレートネック」です。

スマートフォンに限らず、一人一台以上の携帯端末を持つのが当たり前の時代になりました。そんな中、「ストレートネックで姿勢が…」という話は、皆さんもよく耳にするのではないでしょうか。

すでになってしまった方にはその辛さが痛いほどわかると思いますが、まだ経験していない方は、ぜひこのコラムを読んで、日々の生活で気をつけていただければと思います。


ノートPCとスマートフォン

初代iPhoneが発売されたのは2007年、初代Androidは2008年です。ちなみに、筆者のスマホデビューは2009年発売の初代Xperia(SO-01B)でした。スマートフォンが一般に普及しはじめたのが2010年頃なので、少し早いデビューだったかもしれません。

その頃から、会社ではMacBook(当時は黒いポリカーボネート製でした)を使い、下を向きながら作業をする毎日。そもそもPCは学生時代から触っていたので、知らず知らずのうちに首へ相当な負荷がかかっていたのだと思います。


人生初の「ぎっくり首」

きっかけは、本当にふとした瞬間でした。何気なく手を挙げたときに、首に「ピキッ」と違和感が走ったのです。そこから少しずつ痛みは強くなり、ついには下を向いたり、首を動かしたりすることすらできなくなりました。

布団から起き上がるだけで、首に激痛が走る…。
目覚まし時計をなかなか止めることができません…。
食事で少し下を向くだけでも、激痛が走る…。
麺類は食べるのを諦める必要があります。

日常生活のあらゆる場面に支障をきたす、まさにそんな状態でした。
公共交通機関に乗ることすら困難だったため、ひとまず仕事は休むことに…。
※ちなみに首をまわせないので、運転もできないです。

病院でレントゲンを撮ってもらった結果、下された診断は「ぎっくり首」でした。
「ぎっくり腰は聞いたことあるけど、ぎっくり首?」と思いましたが、当時はまだ稀な症状だったようです。

医師の説明によると、私の場合は首の骨が0.数ミリほどズレている状態で、「あと0.4mmズレていたら、呼吸系の神経が圧迫されて死に至るところでした」と言われ、心底ぞっとしたのを覚えています。

原因は、「PCでの長時間作業、下を向き続けていること」とのこと。これが、とにかく首に悪いそうです。 今、街中で「そんな首の角度でスマホを見て大丈夫?」と心配になる人をちらほら見かけます。
おそらく、すでにストレートネックになっているでしょうし、いつぎっくり首になってもおかしくない状態だと感じます。

ちなみに治療法は、首を動かさないようにコルセットを巻き、痛み止めを飲んで、ひたすら自然治癒を待つしかありません。


ぎっくり首やストレートネックにならないために

予防策は、日々の生活における首の角度や姿勢に気をつけるしかありません。その上で、私が意識していることは以下の通りです。

  • デスクワークは姿勢よく、目線を上げる
  • 外付けディスプレイの高さはとにかく高く、可能なかぎり高く
  • ノートPC単体での作業を可能な限り減らす(カフェでの長時間作業は厳禁)
  • スタンドや外付けキーボードがあれば、積極的に使って、下を見ない
  • スマートフォンは頭の高さまで上げて持つ

なお、「ぎっくり腰」と一緒で、一度なってしまうと再発しやすくなるそうです。事実、私もこれまでに3〜4回経験しています。


クリエイティブ職は、デスクワークが非常に多い仕事です。集中してモニターに向き合う時間は、素晴らしいアイデアを生み出すために不可欠なもの。しかし、その代償として心身の健康を損なってしまっては元も子もありません。

長く安定して働き続ける(または創作活動)ためにも、ぜひ「自分は大丈夫」と過信せず、未来の自分のために今日の作業環境、日々姿勢を見直してみてください。

まずは、モニターの下に本を数冊置いて、少し目線を上げることから始めてみましょう。
その小さな工夫が、あなたのクリエイター生命を守る大きな一歩になるはずです。