2025年版 Simple Membershipを使った会員サイトの構築と日本語まわりの修正

2025.08.08

WordPressで会員サイトを制作するためのプラグインはいくつかあります。
今回は、アルファスでも使用することが多い「Simple Membership」を使った会員サイトの構築です。
※Simple Membership4.6.5について記載しています。

導入の仕方の記事はよく見ますが、運用してどうなの?という記事があまりありません。
今回は、導入時に絶対遭遇するトラブルや運用まわりについて、お話したいと思います。


Simple Membershipについて

無料プラグインで、会員サイトに必要な主要な機能が揃っています。
決済サービスの「Stripe」と連携ができるので、ちょっとしたECサイトやサブスクタイプの有料会員サイトを制作することができます。
Stripeを使うとオンライン講座といった無形のサービスも扱うことができます。

ある程度会員が集まるまでのスモールスタート時期など、ミニマムな会員サイトには十分使用することができます。
会員が集めってきたら、高機能&高額な外部サービスに移行するなどを検討しましょう。


インストールとページの自動生成

「Simple Membership」は、
まずはプラグインをインストールし、有効化します。

有効化すると固定ページに新規会員登録ページ(Join Us)と会員用のログインページ(メンバーログイン)関連のページが自動で作成されます。

これらのページは公開状態で作成されるので、会員機能の構築中は非公開にしておきましょう。

ここで気付くと思いますが、日本語翻訳が中途半端です。
以前は文字コード問題があってファイル名を書き換える…というのもありましたが、現在は不足分の翻訳を補うだけで大丈夫です。


翻訳されていない部分を日本語にする

以前からですが、「Login」など、一部が日本語に翻訳されていません。
プラグインのPHPやテーマファイルを直接編集してもいいですが、今回は翻訳ファイルを編集します。

翻訳情報は、moファイルに保存されています。
moファイルは直接編集ができないので、poファイルを修正し、moファイルに変換する必要があります。
poファイルはメモ調などで編集してもいいですが、moファイルへの変換には「Poedit」などで行いましょう。

対象のpoファイルは、moファイルと一緒に以下に保存されています。
pluginのフォルダではないので、気をつけてください。

/wp-content/languages/plugins/

wordpress6.5以降は、プラグイン名.l10n.php というファイルも入っています。
phpを使うことで、moファイルより、パフォーマンスが少し向上するというものです。
作り方は難しくないので、興味がある方は作成してみてください。
なお、.l10n.phpは、moファイルより優先されるので、必要に応じて削除してください。

poファイルに必要最低限のものを追加します。
英文自体は、プラグインの該当するphpに書かれているので、それと対比する形で日本語を記載します。

msgid “Log In”
msgstr “ログイン”

msgid “Username field cannot be empty.”
msgstr “ユーザー名を入力してください。”

msgid “Password field cannot be empty.”
msgstr “パスワードを入力してください。”

msgid “No user found with that username or email.”
msgstr “ユーザー名かパスワードが正しくありません。”

デフォルトだと、ユーザーが間違ってますとパスワードが間違ってますといった英文になっているので、セキュリティの面から、どちらが間違っているかわからないようにしておきましょう。
Simple Membership4.6.5だと、パスワードだけ日本語に訳されていたので、ここは以下にように書き換えます。

msgid “Password Empty or Invalid.”
msgstr “ユーザー名かパスワードが正しくありません。”

poファイルを修正が完了したら、moファイルに変換し、既存のものと置き換えましょう。


初期設定

翻訳まで完了したら、会員レベルを作成していきます。

一般会員、有料会員、ゴールド会員といった形で、会員のレベルが作成できます。
ユーザー権限や有効期限など、細かく設定することができます。
Stripeと連携することで、決済が完了したら、会員区分を変更するといったこともできます。

会員レベルによって、情報の出し分けをすることができます。
以下のように会員レベルを作成してみました。

プラグインのインストール後、投稿、ページ、カスタム投稿の新規追加ページに以下のエリアが表示されます。
会員レベルを作成しておくと、どの会員レベルなら閲覧できるのか?というのを設定できるようになります。

上記以外にテーマファイルに分岐させることもできるので、会員レベルによって、メニューの出し分けといったことも可能です。
以前は、公式ドキュメントと睨めっこしながら作る必要がありましたが、今だとAIですぐ調べることができるので便利な時代になりました。


アドオン機能の紹介・不具合など

公式サイトに便利なアドオン機能が展開されています。
無料と有料のものがあり、それはアドオンなんだ…というものを多いです。
例えば、プロフィールの項目を追加する機能も「Form Builder Addon」という有料アドオンです。

実はこの部分が厄介で、アドオンに関するエラーに遭遇したとき、有料だからこそか、英語圏含めネットで検索しても情報が全然出てきません。今だとAIがあるので、ある程度解決できると思いますが、数年前は情報が全くなかったので、大変でした。

Form Builder Addonについて

プロフィールの項目に「テキスト」や「チェックボックス」といった様々な形式で項目を追加することができます。
ある程度のサイトで運用するなら必須機能でしょう。

ただし、特定のバージョンでバグ?があったりします。
ドロップ&ドラッグができなくなるというバグです。

原因は、WordPress本体のjQuery UI sortable.min.js のバージョンが違うというものです。

他のプラグインにも言えることですが、jQuery UIに本体のもを使っていることが多いので、アップデートでバージョンが異なると動作しなくなったります。

こういう場合、ブラウザのデベロッパーツールで、エラーログを確認し、どういった問題が出ているかとしっかり確認していきましょう。
そこにヒントがあることが多いです。


Simple Membershipは、非常に簡単にWordpressで会員サイトをつくることができます。
スモールスタート時期には十分ですが、会員数が増えてくると力不足を感じるのも事実です。

会員が集めってきたら、高機能な外部サービスに移行するといったことを事前にプランニングしておいて使用するのをおすすめします。